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お買いもの

2010/09/02

昨日東京からお見えになった女性のお客様がいらっしゃいました。
東京から、大阪から、芦屋からとお見えになるお客様はよくありますが、
ほとんどの方は最低でも九州のどこかにご一泊はされます。

昨日のお客様は、宿泊なしの日帰りでした。
東京からお二人で申し合わせ、福岡在住のお友達にナビゲーションを
頼み、当店にご来店いただきました。 福岡在住のお友達は東京の
お友達を満足させるために、インターネットで検索され、当店に辿りついた
そうです。
東京のお二人のお友達は、朝のフライト便で来福され、当店には
午後3時頃お見えいただきました。 博多帯の説明、帯のコーディネーション
着物への好奇心、肝心の価格についてなどなど、三者三様の視点で当店で
陳列している帯の世界を駆け巡っていただきました。
近頃東京のデパートはもとより、きもの専門店や呉服屋さんでも帯の陳列量
はとても少なく、その大半がガラス越しにしかみることができないところが多いです。
たまに手にとれる商品はといえば、ご時世なのかもしれませんが、
合成繊維が多く、また織元の所在が確認しづらくなっていることが多く、
それゆえ帯や着尺が、一般の人々にとって失望と同時に、益々遠い世界
になってるとおっしゃっていました。

「今夜のご予定は?」とお尋ねしたところ、「今夜の便で帰ります」「ええっ、一泊
もなさらないのですか、なんともお忙しいですね」。
「ハイ、私たちは福岡の味を楽しむ時間を割いて、ここで博多の帯を探索する
ことを選びました。」「それはそれは有難いことです。ご満足する一本と出会えま
すように」と私。

ケータイで帯の写真を撮り、価格をメモし、フライト時間を気にしながら、
そして後ろ髪を引かれる思いで空港に向かわれました。
ご自宅のお手元のお召し物とコーディネートされ、それからご注文いただくと
いうお買いものの方法です。

ご注文のご連絡をお待ち申しあげます。



本袋帯「至宝間道」は品格と締めやすさで定評の一本です。
博多織献上館にしむら販売価格:189,000円(税込)
(帯芯、かがりなどの仕立ては必要です。)
二人がとてもご興味をもたれた帯の一本です。

秋の音

2010/08/27

「暑いね。」「今年の暑さは異常だよ!」「今日も暑かったですね。」「どこまでこの
暑さは続くのでしょうね。」近頃のあいさつです。
これだけ暑い日が続くと、一層秋の到来が待ち遠しい。

秋来(き)ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる
藤原 敏行 古今集巻4秋上
とせめて秋の歌を載せてみました。

平安時代の人々は風景に敏感であり、さらに耳もいいことであったことが分かりますね。
どんな音に秋を聞いたのでしょうか。 葉の一枚が落ちる音っだたのでしょうか。
それとも月見草の開花の音だったのでしょうか。

音といえば博多帯屋としては、やはり帯を結う時の衣擦れの鳴き音(ね)が、まずは一番に
思い浮かびます。 博多帯は絹と絹が擦れ合ってキュッキュッと鳴き音を立てます。
実に独特な響きです。 帯を身につけてる折りに、帯が体の周りを動きます。体を回転させる
度にススー、キューキュッ、ススーと、それはそれはいい感じの音です。
そういえば子供たちが帯をおもちゃにして、帯を巻きつけたら、解いたりして、鳴き音で遊ぶ
ことさえありました。 鳴き音を耳にしながら帯を巻く時はいつも、着物を着れる女冥利さえ
感じます。 というのは少しオーバーでしょうか。

いよいよ着物が楽しい秋がすぐそこに来ている筈です。
沢山の衣擦れの鳴き音が、家々に響きますように。



写真は紋小袋帯「紹彩」の中の一本です。
帯両面に紅葉を置いています。
表は、深山を分けいり、突然目に飛び込んだきた、岩肌の紅葉がモチーフです。
博多織献上館にしむら 販売価格:126,000円(税込)

生絹

2010/08/20

生絹と書いて「せいけん」「きぎぬ」「すずし」と三様に読みます。 精練していない状態の
絹糸あるいは絹織物です。 ごわごわした、ちょっと固い感触です。仕立てあがりに張り
のある突っ張った着物になります。 「織屋にしむら」ではもっぱらこれを「すずし」と申してい
ます。ちなみに「織屋にしむら」では、すずしの着尺とすずしの帯の両方を織っています。

過日、100年位前にお召しになっていたであろう夏着物を見せていただきました。 さるお方から
寄贈されて、「博多織献上館にしむら」で大切に保管されている着物です。 それが下の写真です。
現在のすずしの肌触りより、さらに固めです。 小さな灰色の楕円形が規則正しく配置され、その
灰色の楕円形が、遠くから見ると横に縞を置いたように見えます。 手元で見ると地味に見え
ますが、遠くから見るとかなり大胆な感じを受けます。よく計算された意匠デザインと感銘を
受けました。明治の終わり頃、どのような社会通念や背景の中で、どのようにな暮らしの中で、
これをお召しになっていた女性の自己表現の一役を担っていたわけでして、そのあたりに想いを
巡らすと、たちまちその時代に突き当ってしまいました。

100年前(明治43年)の社会では、社会主義者との疑いで幸徳秋水が逮捕されました。 鎌倉・
七里ヶ浜で逗子開成中学のボート部の生徒が、風でボートが転覆し全員溺死しました。その
少年たちを悼み「真白き富士の嶺」の曲が作られました。 時々加藤登紀子さんが歌っている
のを耳にします。 そして夏目漱石は朝日新聞に「門」を連載しました。



明治後期製織の夏着物「すずし」

模様替え

2010/08/18

残暑お見舞い申し上げます。

今年の夏は記録的な暑さだと報じられています。 それでもお盆を過ぎた今の自然界は
ちゃんと秋の気配を運んできています。 空はどこまでも高く済んだ青色、シオカラトンボの
群生が舞い、夕方にはヒグラシが鳴きます。 

すぐそこに来ている季節の変わりに、博多織献上館にしむらの店内のディスプレイを秋モード
に変えました。 室内に長く尾を引く秋の陽の光を想定し、光で帯は着尺を傷めることのないように
配慮することは必須です。
それからお客様がご自分の好みの一品に出会えますようにと、スタッフであれやこれや激論
しながら棚やケースの位置を決めてゆきます。いつも課題になるのは室内の照明設備への
不満です。 照度と輝度が不足がちの店内です。 そこで小さなスタンドを配置し、柔らかな
光を演出しました。 

秋から冬の商品が展示された店内は、屋外は灼熱ですが、この店内だけは静かに秋が
来ているような空間になりました。 この秋、私が身につける帯を何にしようかしらと
密かに思いあぐねたりします。 それから、一人でも多くの方が着物を好きになっていただきたい
との思いが募る残暑の今日この頃です。 
とはいえスタッフは今だ夏着物で対応させていただいております。  暑いのでお許しください。



商品に陽が当たらないことを配慮し、外の景色を感じられる
処に大きなテーブルを置きました。

皆さまのお越しをお待ち申し上げています。


藪入り

2010/08/11

残暑お見舞い申し上げます。

当店は8月11日から16日まで、夏季休業を予定しています。
TVニュースによりますと高速道路使用料金の土日は「距離に関係なく一律1,000円」という影響
もあり、昨年より一週間早く、夏季休暇に入っている企業が多いとのことです。
皆さまは藪入りという言葉をご存知でしょうか。かつてお盆の頃、奉公人(雇われて働く方)が休暇
をいただいて親元へ戻る、いわば夏季休暇ですね。 その頃(いつからかは定かではありません
が)、草深い田舎から都市部に働きに来ていた方が多く、お盆の時期、親元へ休暇で帰省するこ
とを、草深い処に帰る、藪がある処、つまり「藪入り」ですね。

いま、スタッフの親元は草深い処でもなく、ましては田舎でもない方がほとんどです。 むしろ
筑紫野に在る当店の方がよほどに草深く田舎の香りがいたします。 博多織献上館にしむらの
傍らに居住する私の周りは、宝満山の頂を臨み、天拝山の丘陵がのどかに連なります。
夏季休暇で静まりかえったお店の傍らで蝉しぐれを聞きながら、来る秋に向かって
どのようにお客様をお迎えしようかと、思いを巡らすことにしましょう。

この夏のご来店をありがとうございます。




商売繁盛「博多織おもてなしトレー」
商売繁盛を祈願し、九州の心意気を終結させて製作しました。
お客様からお金やカードをお預かりする際、おつりをお渡しする際に、
このトレーをお使いください。ほのかなヒノキが薫ります。

製作関係
博多織献上帯地:織屋にしむら
木材        :日田産ヒノキ
梅型木工     :(有)徳永NC(大川家具工業組合)

博多織献上館にしむら販売価格:3,150円(税込)

夏は花火

2010/08/10

とても暑いです。連日気温がぐんぐん音をたてているかのように上昇してます。
この暑さ、福岡では8月1日に大濠大花火大会が開催されました。
主催者発表によると、なんと46万人余りが大濠公園の池の周りを取り巻き見学されたとのことです。
福岡市民人口総数が146万人余ですから、ざっと1/3の市民が集まったということでしょうか。

この日の街は日中から浴衣姿の方が多かったです。特に若い方は男女とも圧倒的に浴衣をお召しに
なっていました。浴衣を着慣れてないということがすぐに分かるのですが、実は着慣れていなくても
悪くないのです。常日頃、腰の下の下着をのぞかせるまでジーンズを下げて歩いている若者が、
アレっ、この方、同じあの男性だったのかしらと、目を見張るほどでした。
引きしまった、まっつぐの姿勢に浴衣が際立って爽やかな風情でした。
きっちり腰元を帯が支えていて、男の着物はやっぱり帯で決まるものだと、納得いたしました。
歩くたびに裾元に細い脚が覗く。胸元も少し開け気味(暑いですからね)。でも悪くないですね。
傍らの女性もやはり浴衣姿です。髪にオーナメントを沢山付けているのが今風。
話しながら時々笑顔で体を揺らし、大濠公園に向かって歩いて行かれました。。
日本の男女はチャーミングできれいだなぁと嬉しくなりました。
着物をもっと着ていただきたいな、そうすればもっと日本人は綺麗になり、
笑顔がいっぱいになるのではないかしらと、思った次第です。

やはり、仕事からくる身贔屓の発想でしょうか。



写真の帯びはいずれも二寸二分(8.5cm)の男帯です。
二寸二分帯は、気負うことなく、さりげなく着こなしたいいう気分の時に
身につけていただきたい帯です。

左が矢羽根を、右がひょうたんをあしらっています。
博多織献上館にしむら販売価格:29,400円(税込)(いずれも同じ価格です。)

夏本番

2010/07/29

暑中お見舞い申し上げます。

凍てつく頃に桜を思い、花が咲くと若葉の野道を歩くことに想いを馳せ、
歩くにつれて真っ青な空に入道雲や、よしず張にかき氷の小ぶりな幟がひらひらと舞う様子が
眼前をよぎる。 全く日本の季節は忙しい。 人の暮らしも忙しい。
ホッと一息ついている間に季節は移ろう。

今、夏本番 学校も夏休みです。
ここで夜空を彩るハイライト、列島各地の花火大会情報(勝手にピックアップ):
東京 隅田川大花火大会は7月31日、福岡 大濠公園の大花火大会は8月1日、
越後 長岡 大花火大会は8月1日と2日、 さらに北上して秋田 大曲の花火は8月28日、
そして再び福岡に戻り、 大牟田市 おおむた夏まつりは同じく8月28日に予定されています。

そして話変わって、博多織献上館にしむらの「夏物アイテム30%OFFにてご提供」
は7月31日まで、つまり今度の土曜日で終わりです。 
この間に、皆さまの夏の装いにお役たてください。
もし、来店のお時間の都合がつかないようでしたら、お電話いただければ、お取り置きして
おきます。 (Tel.092-922-7128)

近頃のTVCMで、ゆかた姿のモデルを多く見受けらるような気がしているが、職業から来る
気のせいだろうか、、、。



写真は八寸なごや帯「からむし」
振分縞をベースに、右方に清涼感のあるラインをあしらった夏帯です。
博多織献上館にしむら販売価格92,400円(税込)
7月31日までの価格は63,000円(税込)/
帯締め 三分紐(仕入れ商品)販売価格4,200円(税込)

トンボ

2010/07/21

着物や帯のデザインは見立て、映しの宝庫です。当然ではありますが冬暖かく、夏は涼しくの、機能は律儀クリアーしています。
今日取り上げてみたのが、季節がら涼を求めた水辺の風景、蜻蛉と木賊(トクサ)です。帯のタイトルは「蜻蛉」です。
どうか想像してみてください、藍色、浅葱色、あるいは白地に絣がはんなり浮いている透け感のある
着物を身にまとい、この帯を結った背中のお太鼓の様子を。 ご自身も涼しけながら、図らずも居合わせた方々にも涼しい一服を感じていただける。和装のいいなあと思うところは、身につけたご本人のみならず、周囲も結果的に気遣いが行き届く点にあると思います。 日本民族の感性の結晶が意匠デザインとしてカタチになったものの一つが帯や着物に現れているのではないでしょうか。
我田引水と言われそうですが、これほどの深い志を、ただ着るためのものに投影し続けてきているこのような配慮は日本の職人の誇れる所作の一つだと思っています。

所変われば、蜻蛉のことを英語では、dragonfly(竜ハエ)とかdevil's derning needles(悪魔のほころびの針)などと言葉で見立てます。蜻蛉のどこにそんなイメージが潜んでいるのでしょうか。ワカラナイ。


九寸なごや帯

生絹(スズシ) 蜻蛉
博多織献上館にしむら販売価格 134,400円(税込)
参考:九寸なごや帯は仕立てが必要です。
    博多織献上館にしむらでは、芯に使用する素材によりますが、
    5,000円~7,000円でお仕立てを申し受けます。
 

快適着心地に向けて

2010/07/17

「夏は汗ばむので私はこんなふうにして着物をきているの」と教えてくださったのがなんと、
”ステテコの着用”でした。
この方は博多織献上館にしむらをごひいきにしてくださっている、老舗旅館の女将がお仕事です。
着物が仕事着であり、かつ勝負服ともいえる。 帯、着物、和装小物は先代から引きついだ分も含めて半端な量ではないと、着物を着ることを楽しそうに話されました。それぞれの管理も大変行き届いているようです。
なるほどと思わされたノウハウの満載でした。

中でも意表を突かれ、かつ早速実行しようと思ったことが「ステテコ」の件。
柳揚クレープのステテコに、木綿レースを両脚の先端部に縫いつけます。それだけで両脚の汗を吸い取ってくれ、そのことで足さばきが楽になる。されにチラリと見え隠れする脚元のレースが清楚をにじませる。そして当然ながら極めて涼しい。手軽に洗濯もできるのも捨てがたい。 
なるほど、生活から工夫が生まれた自分流が素敵です。着物は暑いとか、着にくいというネガティブな要因をさらりポジティブに変えてしまわれた。 素敵なノウハウいただき、ということで早速にその夕刻、和装品屋に走りました。
そして写真のような出来上がりになりました。とはいってもただレースを縫いつけただけですが。。。

これから夏本番です。季節と遊ぶためにも、こういう工夫をせっせと摂りいれて自分にあった着こなし、
自分流を見つけ出せたらオモシロイでしょうね、きっと。



後日談
若いスタッフにこの作品をみせましたところ「うう~~ん、前のカタチに、やはり私はまだ抵抗がある」と。
なるほど、たかが布、されど布か、、、、。

集中豪雨

2010/07/14

TVニュース、ネットワークの気象庁アメダス情報で、北九州の豪雨の模様が伝えられております。
ここ筑紫野でも明け方の雨音は激しく、小さな小川さえごうごうと音をたて濁流が流れておりました。
普段は眠っているような静かな小川の豹変に肌がすくむ思いでした。
全国から沢山の方々が、博多織献上館にしむらや、我々スタッフを案じてくださったメールや連絡をいただいております。
当店は幸いにも、川の氾濫も土砂崩れの心配のない立地にありますので、まったく心配のない状況です。

皆様のお心遣いに感謝申し上げます。とはいえ各地で雨の被害が出ていますので、
電車や列車のダイヤが大きく乱れております。スタッフの通勤はもろに影響を受け、皆、苦労して出社しております。
せめて帰宅時間に雨が降らないといいんだけれど。。。。

梅雨シーズンの終盤は、例年異常ともいえる集中豪雨やゲリラ豪雨があります。
皆さまの地に被害のないことを祈っております。

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