2010 年 7 月 14 日

集中豪雨

TVニュース、ネットワークの気象庁アメダス情報で、北九州の豪雨の模様が伝えられております。ここ筑紫野でも明け方の雨音は激しく、小さな小川さえごうごうと音をたて濁流が流れておりました。普段は眠っているような静かな小川の豹変に肌がすくむ思いでした。 全国から沢山の方々が、博多織献上館にしむらや、我々スタッフを案じてくださったメールや連絡をいただいております。 当店は幸いにも、川の氾濫も土砂崩れの心配のない立地にありますので、まったく心配のない状況です。 皆様のお心遣いに感謝申し上げます。 とはいえ各地で雨の被害が出ていますので、電車や列車のダイヤが大きく乱れております。スタッフの通勤はもろに影響を受け、皆、苦労して出社しております。 せめて帰宅時間に雨が降らないといいんだけれど。。。。

梅雨シーズンの終盤は、例年異常ともいえる集中豪雨やゲリラ豪雨があります。皆さまの地に被害のないことを祈っております。

2010 年 7 月 6 日

第一回「感謝 de 夏なつまつり 2010」

今日から博多織献上館にしむら第一回「感謝 de  夏まつり2010」です。 夏用のアイテムがすべて30%OFFです。大きな声で言えませんが、もっとサービスしている商品もあります。昨夜遅くまで、明日の天気を気にしながら準備に追われていました。今日は幸いにも曇りです。いくら車社会といえ、やはり雨降りのお出かけは心が弾まないものだし、ご来店いただいたらいただいたで、帯や着物をお買い上げいただいたら、濡れはしないかと気になって仕方がない。それなのに、梅雨時期の中になぜにこのような催しを開催するかと問われましょう。 それはひとえに、多くの方に、この夏に着物で過ごしていただきたいの一言です。夏は着物になじんでいただけるいいチャンスなのです。 着物を着る手始めとして、ゆかたは本当に手軽です。 そして、どの位魅力的になったかを実感できます。日本の男性も女性も着物姿は本当に魅力的でカッコイイという説に異存を唱える方はまずいらっしゃらないでしょう。 この時期にゆかたや夏きものを用意し、帯をしつらえておけば、梅雨が明けた、夏のアフターファイブは、着物で遊びましょう、歩きましょう。きっと例年と違った、楽しい日本の夏を実感できると思います。 とはいえ店内の商品に限りがあります。 どうぞお早目にお出かけいただきたくお願いします。

八寸なごや帯「紗の帯」の店内ディスプレイ。

八寸なごや帯「紗の帯」の店内ディスプレイ。

2010 年 6 月 29 日

こだわり

例えば箸、例えば湯呑、例えばテーブル、例えば手ぬぐいと、人それぞれにこだわり、または決して譲れない、いや譲りたくないこだわりというものがありますね。こだわりは、ご本人にとってちゃんとした理由があり、納得が成立できていて、当事者にとって心地よい大切な基準なのでしょう。そのこだわりの度合いに応じて、その方のたたずまいや、暮らし向きのカタチがしのばれます。ご本人にとって大切なこだわりが他の人には「それがどうしたの?」となるから面白い。ところが「それがどうしたの?」をちゃんとひも解いて説明されると、それは蘊蓄となって、違った角度で見えてきて、一気に豊かな尊い世界を感じるようになります。こういうお話を「良い話を伺いました。」ということなのでしょうね。今日、浅草から、江戸っ子の方が博多織献上館にしむらにお見えになりました。話方がチャキチャキの江戸弁で、こまたが切れあがった話ぶりと仕草が、落語家の亡き古今亭志ん朝さんを彷彿させ、それはそれは小気味よかったです。話題も実に豊かで、為になり、楽しさ全開でした。そして、こだわりこそ粋(いき)の真髄であると教えていただきました。この江戸っ子のお客様は、パイプ製造販売で世界でも名高い柘製作所の専務さんです。専務さんは、大の着物の愛好家でもあり、織屋にしむらの男帯をご覧になって「こうでなくっちゃいけないね」と褒めてくださいました。ここでは申し上げられませんが、もっともっとオモシロイ粋についてのお話をしていただきました。お陰様で、私とスタッフは存分の元気をいただきました。なんと面白い一日だったこと。

紗織献上帯

紗織献上帯

来る7月6日から開催される博多織献上館にしむらの「感謝 de 夏まつり2010」では夏帯を30%OFFで販売します。写真の夏帯は29,400円→20,860円で販売します。(各1本、税込価格)

2010 年 6 月 24 日

長法被

浅草・三社祭り、京都・祇園祭り、青森・ねぶた祭り、、、日本列島初夏から夏の終わりまで祭、祭りで大賑わい、大忙しです。博多はご存じ、博多祇園山笠で盛り上がっています。7月1日注連下ろしのご神入れを皮切りに、7月15日早朝行われる勇壮な追い山に向けて祭り一色です。今頃、街の14ヶ所には飾り山笠が一般公開されています。高さは10メートル位ありますから、体をちょっと引き気味にして見上げて今年の山笠の出来具合を楽しみます。飾り山笠が置かれている場所はもちろんですが、この時季、博多は長法被をまとった男衆が街を闊歩しています。 長法被は正装とみなされていますから、レストランやホテルのロビーで長法被姿の男衆を見かけます。長法被は「流れ(町内)」ごとにデザインが異なります。福岡市立博物館に行くとそれぞれの流れのデザインが一同に見れます。それはともかく、若衆から年齢を重ねた男衆までがそれぞれの着こなしを見せてくれます。若衆は飛び跳ねんばかりのエネルギーをもてあまし、着こなしも板についてはいず、一本氣がじゃまくさい。そこへゆくと年齢を重ねた方は、器の違いか、己を知ってか、静かな色気と思いやりを含ませ実に奥行きがあるのです。街を引っ張って行く男たち、街を引っ張ってきた男たち。博多は人懐っこい街です。

写真手前から、ひょうたん、竜剣、刺子縞

写真手前から、ひょうたん、竜剣、刺子縞

山笠では、できれば「織屋にしむら」の男帯で決めていただきたい。ひょうたんは沢山実をつけるとこから子孫繁栄の願いにつながります。価格29,400円。竜剣は不動明王の化身の竜と剣がモチーフです。「空(くう)」の概念が潜んでいます。価格24,150円。刺子縞は手仕事の刺子の風合いをとりいれました。大人の風合いがあります。価格39,900円。 (価格は博多織献上館にしむらの販売価格で、全て税込表示です)

2010 年 6 月 14 日

下駄屋さん

永井荷風は「下駄を履くと遊びにゆきたくなる」といったことを以前のブログで書きました。あら不思議、先週末、当店に浅草に創業大正元年の老舗和装小物を扱う「辻屋本店」の店主様がふらりお見えになりました。帯、着尺を商う私どもと、その方と話があいまして、仕事の喜び、目標、課題など話すことができ、とても充実した時間をいただきました。 中でも興味深かったことの一つに、浅草のお店にいらっしゃる福岡のお客様の買い物のきっぷのよさは際立っていたとおっしゃっていました。「ご来店なさいますと、各々、数個の下駄をアッという間に、嬉々としてご購入なさいます」と。 そういわれてみれば当店のある筑紫野、二日市近辺に下駄や草履をあつかうお店をほとんど見かけませんね。 皆様、お履物はどうされているのでしょうか。帯、着尺を扱う身としては少々気になりました。ということで「辻屋本店」様のサイトをご紹介しました。一度チェックしてみてください。きっとお役にたつと思います。 もしかして、荷風先生も辻屋さんで下駄をあつらえたかもしれませんね。

2010 年 6 月 11 日

セーラー服

若葉が出揃って梅雨がやって来るまでの今頃の福岡、博多は、湿度もなく日の輝きも一層増して本当に気持ちがよいです。福岡、博多市内の歩道はよその街より、断然歩道の幅は広いです。おしゃべりしながらゆっくりと歩けます。歩くことが楽しいです。もっとも広いことをいいことに自転車は走るは、車は駐車しているは、時々は車が歩道を走っていることさえあるので、マナーがいいといえませんが。この季節一斉に衣替えです。街が一気に明るくなります。女学生の白い襟のセーラー服がまぶしいです。紺色のプリーツスカート、白のソックス、カバンは紺色、二色のコーディネートが気持ちがいいです。セーラー服の発祥地はイギリスですが、日本で最初に制服としてとりいれた土地は、明治10年位の福岡の女学校とのことです。体操着として開発された由。セーラー服のデザインの完成度は高く、現在数ある学校の制服の中でも、セーラー服にまさるものは未だにない模様ですね。女学生が黒髪をなびかせ、お友達とキャッキャッ笑いながら自転車で過ぎ去る光景は実に絵になります。俳優の小沢昭一さん、入院している時の白衣の看護婦さんは、どの女優さんより美しく「もう何されても気持ちがいい」と話されておりました。制服の力は偉大なり。着物が日本から影が薄くなって行くトリガーの一つは女学校の制服に、セーラー服を発見したことではないかと私は思っています。 帯を生業とする身としては、着物にこそ、日常生活での機能と 美しく装う時の衣服であって欲しいと深く思うわけですが。

プレタ(仕立て済み)

プレタ(仕立て済み)

お求めいただいてすぐに着られる女性用夏きもの「イクス」。 縮み地 麻100%     写真の黄色の他に水色を揃えています。博多織献上館にしむら販売価格63,000円(税込)

 

 

 

 

 

2010 年 6 月 4 日

泉 鏡花

今、泉鏡花を読んでいます。昨日までは「日本橋」を、そして今は絶筆となった「薄紅梅」を読み始めました。1873年金沢で生まれ、1939年没した(明治から昭和初期)作家です。泉鏡花の作品は、新派を起こし初代水谷八重子という大女優を誕生させています。なぜいまこの本を読んでいるかというと、着物とそれをとりまく世界が鮮やかに表現されています。たとえば「氷月の雪の枝折戸(しおりと)を、片手ざしの渋蛇目傘で、衝いて入るような褄(つま)をあげた雨具(あまぐ)の裾の板じめだか、鹿子絞り(かのこしぼり)だか、あの緋色(ひいろ)がよ、又ただ美しさじゃない、清さ、と云ったら。ここをいうのだが、茶屋の女房の浅黄縮緬(あさぎちりめん)のちらちらなぞはーーーー」と、こんな調子で描かれています。読んでいる私は、悲しいかな、決して全部理解できてるとはいいがたいが、単語なぞ調べてはせっせと読んで情景を再現させています。生活の全てが着物であった時代は、今と比べようもないですが、それでも着物の着こなしが品位などが分かってきます。 

そして次の文章、同じく「薄紅梅」より、 「すぐの座敷で、先生は箪笥の前で着替えの最後。はかたの帯びのきりりと緊(しま)った処なんだ。」   博多の男帯はこの頃すでに、きりりとした締め心地で定評があったようです。泉鏡花先生のお墨付きをいただいたようで、博多帯を生業とする私どもにとって大変大変嬉しい一文に出会いました。

博多「織屋にしむら」男帯

昔も今も男帯は博多「織屋にしむら」男帯。 写真手前は「紋男帯 太陽」臙脂色 博多織献上館にしむら 販売価格 50,400円(税込)、奥は「悦 平織 やすら段」24,150円(税込)

2010 年 5 月 26 日

「雨がふります。雨がふる。/遊びにゆきたし傘はなし。紅緒の木履(かっこ)も緒がきれた。」 これは福岡・柳川出身の北原白秋の詩の童謡「雨」です。梅雨時期になるとなぜかこの唱を口ずさむ。そしてさらに打ちひしがれる。雨はしきりに降る、傘もない。おまけに下駄の鼻緒まで切れてしまって、私は家から一歩も出てゆけない。お外には面白いことが沢山あるのに、お外に出て行けない。雨なんて嫌いだ、とは私の理解。こんな絶望的な詩を童謡にしたてた大正時代とはいったいどのような社会だったのかしら。私の父や母たちがわずかながら吸った大正の空気を、娘の私はほとんど聞かされていない。「紅緒の木履」とは紅色の鼻緒の下駄のことだけれど、雨の日に下駄で歩くと、そのたびに泥が跳ねあがって脚が汚れてしまって、つまらなかった記憶までよみがえってきた。雨はいよいよ私をつまらなくする。

そんな折り、新企画の手ぬぐいが博多献上館にしむらに届きました。「博多献上てぬぐい」の5色。とてもきれいな色。この色をみたとたん今までの憂鬱な気分が一気に吹き飛んだ。まあ私のユウツウなんてその程度のものなのでしょう。

博多献上てぬぐい

元気が出た「博多献上てぬぐい」5色。博多織献上館にしむらに6月入荷予定。販売予定価格1枚1,050(税込)

2010 年 5 月 24 日

おこわ

今日、おこわの差し入れをいただきました。それが下の写真です。博多織献上館にしむらでは「博多伝統職の会」の博多伝統工芸品の作品を販売しております。 過日、お客様のお一人に博多工芸品の、博多曲物の「飯櫃」をお買い上げいただきました。その飯櫃を包装する時に「プラスチック全盛期の今時、これはどのようにして生活の中で使われるのかしら?」と思ったものでした。 そしたら本日昼下がり、私やスタッフがそろそろランチをとりましょうか、と思っていた矢先「こんにちは、こんなおこわを作ってみたのですが、よろしければ召しあがってくださいな」。風呂敷をほどいてみると、くだんの博多曲物の飯櫃が現れ、その蓋をとってみると山椒の新芽と杉の香りとおこわが湯気とともに薫りたちました。余計な水分を吸いとったもち米もカタチよく、飯櫃との調和も素晴らしく、とても美しかったです。日本っていいな~と感じ、そして丁寧な生活を送っていらっしゃるこのお方の心の豊かさを感じました。 ありがとうごさいました。

そのお方に教わったおいしいレシピ 材料:もち米 2カップ/うるち米 1カップ/具:干し貝柱、人参、牛蒡、薄揚げなどお好きなものを細かく刻む/だし汁:(醤油 大匙1、酒 大匙2、その他椎茸などのだし汁 + 水)を2.5カップに留める。  作り方: 米は研いだ後ザルに揚げておき30分程放置。 その後素材をすべてあわせて、炊飯器で炊く ▽おいしくするポイント:炊きあがった後、一回混ぜ合わせ、さらにその後2度炊きをする。盛り付けに山椒の葉を散らす。

山椒の緑がきれい

写真の博多曲物は飯櫃の中サイズです。

2010 年 5 月 20 日

ゆかたの思い出

私が小さかった頃、まだ普通の生活に着物が溢れていた頃、私の両親も当然まだ若かった。いつも忙しく、あわただしい暮らし向きだった。 父は細身で長身でエネルギーにあふれ、少し日焼けをしていた。 母は器用な人で子供服を作ったと思えば、着物の仕立てもした。 家庭的かと思われるでしょうが、料理など家事はあまり好きそうでなかった。 海に潜るのがとても上手でびっくりしたことがある。 ある夏、どういう風が吹いたのかもう記憶にはないが、浴衣を着た父が私を肩車してくれた。 おぶわれたり、抱かれたりしたことがなかったで、肩車をした父のゴツゴツした肩の骨と、落とされまいとしがみついた額から頭の感触に、父は男なんだと感じた。 母といえば、やはりゆかた姿で、私の足首を握って楽しそうに笑っていて、なんだかすごく女っぽく見えた。 この写真の夏帯をみていたら、その時の記憶が浮かんで来た。 歯の生え換わりで上の前歯が二本抜けていた私の口は、妙にスースーしていた。

ゆかたは綿です。

写真は八寸なごや帯 紗 五献上 博多織献上館にしむら販売価格45,150円(税込)/男ゆかた地 21,000(税込)

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